第6話|身体を整えるだけでは、たどり着けなかった答え
― 私が現在の陰陽整体にたどり着くまで ―
こんにちは。陰陽整体の渡邊です。
前回は、霊的な影響やエネルギーへの対処を繰り返す中で、ただ取り除いたり整えたりするだけでは、同じ問題を繰り返すことがあると感じた経験をお伝えしました。
では、どうすればよいのか。
その答えを考えるうえで、大きな転換点となったのが、これからお話しする臨床経験でした。
今回は、私が現在の陰陽整体の施術方法にたどり着くまでの経緯をお伝えします。
感情が解放されれば、思考も整うと思っていた
以前の私は、身体への施術を通して感情が表に出てくる経験を重ねる中で、感情が解放されれば、その人の思考も自然に整っていくのではないかと考えていました。
しかし、腰痛で悩まれている女性との関わりによって、その考え方が変わりました。
その女性は、慢性的な腰痛の改善を目的に施術を受けられていました。
施術を重ねる中で、幼少期に両親が離婚したときの話をされました。
当時、母親から、
「あなたのせいでお父さんが出ていった」
と言われた経験があったそうです。
さらに話を聞いていくと、その女性は日常生活で何か問題が起きたときにも、
「全部、私のせいだ」
と考えることが多いと話されました。
そこで私は、これまで以上に時間をかけて話を聞きました。
何が起きたのか。
そのとき、どのように感じたのか。
そして、なぜ自分の責任だと考えているのか。
一緒に振り返る中で、自分が責任を持つべきことと、他人が責任を持つべきことは必ずしも同じではない、という点も確認していきました。
この経験から、私は一つの疑問を持ちました。
身体の不調を考えるとき、感情だけでなく、その人の思考や生き方、あり方まで関係している場合があるのではないか。
もちろん、腰痛の原因が過去の経験や思考にあったと断定できるわけではありません。
それでも私にとっては、身体だけを見ていては分からなかった、その人の背景を考えるきっかけになりました。
生き方・あり方まで確認した、最初の6回のモニター
この経験を踏まえ、私は施術の中で身体だけでなく、感情・思考・生き方・あり方まで段階的に確認していく方法を考えました。
当時の私は、
「不調の背景に生き方やあり方とのズレがあるのなら、そこまで整えることで、その人が本来持っている力を発揮できるのではないか」
と考えていたのです。
そこで、先程の女性とは違う、慢性的な肩こりで悩まれている女性に協力していただき、6回のモニター施術を行いました。
その女性とは、身体の状態だけでなく、日常生活での人間関係や、物事の捉え方、これからどう生きていきたいのかということまで話し合いました。
例えば、肩こりについて話し合う中で、人間関係における責任の線引きについても考えていきました。
そこで彼女が気づいたのは、相手に何かを提案することだけでなく、必要なときに断ることも、自分の責任だということでした。
自分から提案しても、相手から返事がなければ、それ以上追いかけない。
相手から別の提案があった場合も、話し合ったうえで、自分が納得できなければ断る。
また、事前の連絡もなく突然訪ねてこられた場合には、無理に対応せず断る。
このように、自分がどこまで関わり、どこから先は相手の責任なのかを整理し、実際の行動にもつなげていきました。
しかし、6回を終えたとき、私の中には何か腑に落ちない感覚が残りました。
身体も、感情も、思考も、生き方も確認している。
それでも、何かが足りない。
「そもそも、私は何を整えようとしているのだろうか」
この疑問が、その後の施術を見直すきっかけになりました。
歩行指導をしていないのに、歩き方が変わる
その後も、私はさまざまな方への施術を続けていました。
そこで改めて注目するようになったのが、施術前後の身体の変化です。
理学療法士として働いていた頃、私は歩き方を改善するために、関節の動きや筋力、身体の感覚などを確認し、必要に応じて腕の振りや脚の動かし方を指導していました。
ところが、現在の施術では、そうした歩行指導を行っていないにもかかわらず、歩き方に変化が見られる方がいました。
例えば、施術前よりも自然に一歩が大きくなる。
腕が前後に振れ、股関節や体幹も連動して動く。
身体が左右に大きく崩れることなく、全身を使って歩く様子が見られる。
しかも、本人に歩幅や腕の振りを意識するよう指導したわけではありません。
こうした変化は、一人だけでなく、複数の方に見られました。
それまでの私は、施術後に歩き方が変わることを、ある意味では当たり前のように捉えていました。
しかし、理学療法士として行ってきた指導と比較したとき、改めて疑問が生まれたのです。
「なぜ、歩き方を指導していないのに、身体全体の動きが変わっているのだろう」
私は、施術で自分が何を行っているのか、もう一度確認するようになりました。
変わっていたのは、身体の動きだけではなかった
さらに、施術前後の変化を確認していくと、身体の動き以外にも気づくことがありました。
例えば、施術前に人間関係について質問しても、
「特に何もありません」
と曖昧に答えていた方がいました。
しかし、施術後に改めて話を聞くと、
「あのとき、こういうことがありました」
「そのとき、少し違和感があったんです」
と、具体的な出来事や自分の気持ちを話すことがありました。
さらに話を聞いていくと、
「無理にその人と関わり続ける必要はないと思いました」
と、自分の考えを言葉にする方もいました。
また、施術前には質問中に視線がそれたり、どこか上の空のように見えたりしていた方が、施術後には落ち着いて最後まで話を聞く様子が見られることもありました。
私は、こうした変化を見ながら考えるようになりました。
「身体の動きだけではなく、自分自身や現実への向き合い方にも、何か変化が起きているのではないか」
もちろん、施術前後に見られた変化が、すべて施術によって起きたと証明できるわけではありません。
ただ、私自身が施術方法を見直すうえでは、重要な経験でした。
エネルギーは、中心に寄せるだけではなかった
当時の私は、エネルギーを流したり、身体の中心へ寄せたりすることを意識して施術していました。
しかし、それだけでは何か腑に落ちない感覚がありました。
そんな中、重度の障害があるお子さんたちのリハビリに関わった経験が、私の考え方を変えるきっかけの一つになりました。
あるお子さんに関わったときのことです。
そのお子さんは、呼吸をするときに「ゼーゼー、ハーハー」という音が聞こえる状態でした。
私は、うつ伏せになっているお子さんの左右の腰に手を添え、身体の状態を確認していました。
そのとき、私の感覚では、エネルギーが身体の中心に収まっておらず、背中側へ大きく膨らむように偏っていると感じられました。
そこで、その状態を意識しながら手を添えていると、1〜2分ほどの間に、先ほどまで聞こえていた呼吸音が落ち着いていく様子が見られました。
さらに、顔色にも変化が見られました。
このとき、酸素飽和度(SpO₂)の数値も、91〜92%程度から98%へと変化していました。
SpO₂とは、血液中のヘモグロビンのうち、酸素と結びついているものの割合を、指などに装着する機器で推定した数値です。
呼吸や酸素の取り込みの状態を確認する際に用いられる指標の一つです。
ここで誤解していただきたくないのは、私がエネルギーを調整したからSpO₂が改善したと、医学的に証明されたわけではないということです。
これは、当時のリハビリの現場で、私が実際に観察した経過をお伝えしているものです。
数値の変化には、姿勢や呼吸状態、測定条件など、さまざまな要因が関係する可能性があります。
また、SpO₂が低い状態や呼吸に異常がある場合には、適切な医療的評価や対応が必要です。エネルギーへの働きかけが、医療的な管理や治療の代わりになるという意味ではありません。
では、なぜ私にとって、この経験が重要だったのでしょうか。
それは、SpO₂の数値が変化したからというだけではありません。
私がそれまで意識していなかった、エネルギーの前後方向の偏りに気づくきっかけになったからです。
それまでは、エネルギーを流したり、中心に寄せたりすることを主に意識していました。
しかし、この経験から、左右だけでなく前後にも偏りがあるように感じられること、そして身体全体とのつながりを確認する必要があるのではないかと考えるようになりました。
そこから私は、これまで感覚的に行っていた施術を、一つずつ見直し始めたのです。
左右に隔たりがあるように感じる部分。
一方向に大きく偏っているように感じる部分。
身体とエネルギーのつながりが弱いように感じる部分。
そうした状態を確認しながら、施術前後の身体の動きや表情、視線、会話の様子を照らし合わせていきました。
顔の明るさや目力の変化を感じることもありましたが、それだけで状態を判断するのではなく、実際の身体の動きや本人の言葉も確認するようにしました。
私はこの経験を通して、それまで無意識に行っていた施術を、自分自身で理解し直していったのだと思います。
「整えていく」から「本来の状態へ戻る」へ
こうした経験を重ねる中で、最初の6回のモニターで腑に落ちなかった理由について、私なりの考えが生まれました。
それまでは、感情・思考・生き方・あり方を段階的に整えていけば、その人が本来の力を発揮できるのではないかと考えていました。
しかし、もしかすると順番が違うのではないか。
まず、その人の身体とエネルギーを、本来の状態へ戻すことを目指す。
そして、その状態で今の自分や現実を振り返る。
そうすることで、それまで気づかなかった違和感や、自分が本当に望んでいることに気づきやすくなるのではないか。
さらに、気づくだけでは終わらない。
自分がどうしたいのかを考え、行動計画を立てる。
実際に行動し、その結果を振り返る。
必要であれば、計画や行動を修正する。
その積み重ねによって、さらに本来の自分へ戻っていくのではないか。
私は、このような仮説を立てました。
ここでいう「本来の状態」とは、私が施術経験を通して捉える身体とエネルギーの状態を指しています。医学的に確立された診断や、誰にでも同じように確認できる基準があるという意味ではありません。
同じ女性に、もう一度6回のモニターをお願いした理由
そこで私は、この仮説を実際の施術の中で確かめたいと思いました。
以前、6回のモニターに協力していただいた女性に、改めて6回の施術をお願いしたのです。
実は、この女性はレイキティーチャーでもありました。
私は以前からレイキにも関心があったため、後半6回のモニター施術を提供する代わりに、女性からレイキの伝授を受けるという、お互いが納得した交換条件で行うことになりました。
金銭のやり取りではなく、施術とレイキの伝授を交換する形です。
これが、私がレイキを学ぶことになったきっかけでした。
つまり、同じ女性に対して、合計12回のモニター施術を行ったことになります。
前半の6回と後半の6回では、私が重視することを変えました。
前半では、身体・感情・思考・生き方・あり方を段階的に確認していました。
後半では、まず身体とエネルギーの状態を確認し、本来の状態へ戻すことを目指しました。
そのうえで、本人が今の現実をどう捉え、何を望み、どのような行動を選ぶのかを確認していったのです。
では、この方法で実際にどのような変化が見られたのでしょうか。
その具体的な経過については、次回の最終話でお伝えします。
今日のプレゼント|今の自分の状態を確認してみませんか?
ここまで、私が施術方法を見直してきた経緯をお伝えしました。
私は施術を通して、身体の動きだけでなく、エネルギーの偏りやつながりについても確認するようになりました。
では、あなた自身は、今の自分の状態にどれくらい意識を向けているでしょうか。
今回は、ご自身のエネルギーの状態を意識するきっかけとして、確認方法をまとめたプレゼントをご用意しています。
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※この方法は、医学的な検査や診断、霊的影響の有無を判定するものではありません。ご自身の状態を振り返るための参考としてご利用ください。
次回予告|第7話「本来の自分に戻るということ」
最終話では、同じ女性に行った後半6回のモニターで、実際にどのような変化が見られたのかをお伝えします。
そして、その経験から現在の陰陽整体が何を目指し、どのような支援を行っているのかをご紹介します。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
陰陽整体
渡邊裕之


