骨折した恐怖
第1話 私が理学療法士を目指すきっかけになった骨折
小学6年生の頃、私はバスケットボールをしていました。
ある大会の試合中、ボールを受けた瞬間でした。
右手の小指に、今まで経験したことのない激痛が走ったのです。
その場で指は腫れ上がり、触るだけでも痛い状態でした。
しかし当時の指導者は、
「捻挫だからテーピングを巻いておけ」
と言いました。
私はその言葉を信じ、そのまま試合に出続けました。
今振り返ると、まず病院で検査を受けるべき状態でした。
しかし当時は子どもです。
大人がそう言うなら、そうなのだろうと思っていました。
その日は中国大会でした。
県外で行われる大きな大会です。
試合中も痛みは増すばかりでした。
手の感覚はほとんどありません。
冷や汗をかきながらプレーしていました。
正直、途中で逃げ出したいくらいの痛みでした。
骨折を経験したことがある人なら分かるかもしれません。
あの独特の痛みです。
ズキズキするというより、
指の奥から脈打つような痛み。
少し触れるだけでも激痛。
それでも私は3試合ほど出場しました。
試合が終わった夜にはさらに悪化していました。
少し指が触れただけでも飛び上がるほど痛い。
眠るのも苦痛でした。
後になって分かったことですが、
あの時の状態は捻挫ではありませんでした。
完全な骨折だったのです。
理学療法士となった今なら分かります。
捻挫と骨折では腫れ方がまったく違います。
熱感も違います。
もちろん最終的にはレントゲン検査が必要ですが、
あの時の状態は明らかに普通ではありませんでした。
そして私は、
骨折に対して最もやってはいけないことをしていました。
固定もしない。
病院にも行かない。
試合を続ける。
今考えると恐ろしいことです。
しかし当時の私は、
「そのうち治るだろう」
と思っていました。
ところが1か月経っても治りません。
それどころか、
手の感覚はどんどんおかしくなっていきました。
夜も激痛で眠れない。
冷や汗が出る。
思うように動かない。
そして私は、
複数の病院を回ることになります。
そこで言われたこと。
そして手術。
さらに運良くアメリカから来日していた専門医との出会い。
その出会いによって、
私の人生は大きく変わることになります。
次回、
「手術を勧められた日」
についてお話しします。

