整体前後で性格は変わるのか?
心理学では、性格は環境によって変わることが分かっています。
私は整体の臨床を通して、姿勢が変わることで、性格のように見える反応まで変わる症例を経験してきました。
今回は、その中でも特に印象に残っている症例をご紹介します。
50代の男性が腰痛で来院されました。
予約時間よりかなり早く来られたため、他の患者さんと重なってしまいました。
私は時間どおりに対応しましたが、その方は怒り気味で、
「早くしてくれ。」
という態度でした。
問診や評価にもあまり応じる様子はなく、物を投げるように置くなど、かなり攻撃的な印象でした。
施術を行い、腰痛は軽減しました。
しかし、私が驚いたのは痛みではありません。
姿勢と話し方がまるで別人のように変わっていたのです。
前のめりだった姿勢が自然と真っすぐになり、
話し方も穏やかになり、
落ち着いて会話ができるようになっていました。
ここで私は疑問を持ちました。
姿勢が整うことで、セロトニンなどの神経伝達物質が分泌され、ストレスや炎症反応に関わることは研究でも報告されています。
しかし、
これほど短時間で、人の話し方や雰囲気、性格のように見える反応まで変わるのでしょうか。
理学療法士として働いていた頃も、病気やケガをきっかけに外向的だった方が内向的になり、身体が回復するにつれて、その人らしさを取り戻していく方を数多く見てきました。
だから私は、
姿勢や身体の状態と性格には深い関係があると思っています。
しかし、この男性のように、数十分という短時間でここまで変化する現象は、筋肉が緩んだから、ホルモンが分泌されたから、という説明だけでは私は説明できないと感じました。
ホルモンの変化はきっかけにはなるでしょう。
そして、その状態が継続することで、1週間、1か月と少しずつ姿勢や考え方、生き方が変わっていくこともあると思います。
しかし、この症例で私が見た変化は、それだけでは説明がつきませんでした。
身体を整えると、その人らしさまで変わることがある。
この経験もまた、私が身体だけではなく、感情や記憶、そしてさらにその奥にあるものを学び始めるきっかけとなった症例の一つです。
