【第3話】悲しみは腰の左側に溜まっているのか?
【身体・感情・記憶をたどる7話シリーズ】
第1話
本音を伝えたことで、腰痛が変わった20代男性
第2話
身体には本当に記憶が残るのか?
第3話【今回】
悲しみは腰の左側に溜まっているのか?
第4話
性格と身体反応の関係
第5話
身体に残る「記憶」とは何か
第6話
エネルギーは身体にどう影響するのか
第7話
身体・心・魂・霊的影響を総合的に見る理由
前回のあらすじ
前回は、身体には過去の経験や記憶が残るのではないかということについてお話ししました。
今回は、その「感情」が身体にどのように関係するのかを、実際の症例を交えながらお話しします。
理学療法士として働いていた頃、高齢者の方と接する中で感じたことがあります。
それは、不満や不安、そして後悔を抱えている方が非常に多いということでした。
「家に帰れるだろうか。」
「家族に迷惑をかけたくない。」
「もっと早く○○していれば。」
そのような言葉を何度も聞いてきました。
しかし、その頃の私は、それが身体とどう関係しているのかまでは分かっていませんでした。
その考えが大きく変わったのは、理学療法士と整体師を併用していた頃です。
50代の女性が、腰痛と肩こりで来院されました。
一回目の施術で腰痛は大きく改善し、コルセットも外せるようになり、ご本人も驚かれていました。
しかし、首と肩については違和感が残りました。
筋肉の硬さだけではない。
「何かを抱え込んでいる。」
そんな感覚がありました。
施術を続け、身体の緊張が少しずつ緩んでくると、ご本人が少しずつご自身のことを話されるようになりました。
そして3回目、4回目。
幼少期に母親から言われた言葉が、自分を責め続ける原因になっていたことが分かりました。
私は、
「その出来事は、本当にあなたのせいだったのでしょうか。」
とお聞きしました。
しばらく考えたあと、その方は涙を流しながら言われました。
「私のせいじゃない。」
「どうして私が責められなければいけなかったんだろう。」
その瞬間から、ご本人の表情が変わっていきました。
さらに、
「普段も、他人の問題まで自分の責任だと思っていました。」
と話されました。
身体を整えることも大切です。
しかし、その方の場合は、自分を責め続けてきた感情を見つめ直したことで、身体にも変化が現れていきました。
ここで少し専門的なお話をします。
ストレスを受けると、「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。
コルチゾールは、脳の海馬とも深く関係していることが分かっています。
海馬は記憶や感情にも関わる重要な部位です。
強いストレスが続くことで、この働きにも影響が及ぶことが知られています。
また、私が多くの症例を見てきた中では、身体にも一定の傾向がありました。
特にこの方は、左側の腰に強い緊張がありました。
私はこれまでの臨床経験から、
左側は女性性や悲しみ、
右側は男性性との関連を一つの視点として見ています。
もちろん、すべての方に当てはまるとは考えていません。
しかし、多くの症例を通して、一つの傾向として見えてきたものです。
そして、もう一つ大切なことがあります。
悲しみや怒りを、
「こんな感情を持ってはいけない。」
「波動が下がるから感じない方がいい。」
そう考える方もいます。
私は逆だと思っています。
感情は抑え込むよりも、きちんと向き合い、解放していく方が身体は変化しやすい。
そのような症例を数多く経験してきました。
そして、この「感情」は、さらに「記憶」と深く関わっていきます。
それは次回、別の男性の症例を通してお話しします。
次回予告
次回は、性格と身体反応の関係について、ある男性の症例をもとにお話しします。
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