【第4話】整体師になって初めてぶつかった壁
前回は、私が理学療法士から整体師という道を選んだ理由についてお話ししました。
当時の私は、
「リハビリが必要にならない身体をつくりたい。」
その思いで整体を始めました。
理学療法士として学んできた運動療法。
筋膜リリース。
徒手療法。
ストレッチ。
これまで積み重ねてきた知識や技術を活かせば、多くの方の力になれると思っていました。
もちろん、実際に改善される方もたくさんおられました。
しかし、その一方で、大きな壁にもぶつかりました。
一つは、本気で身体を変えたいという方ばかりではなかったことです。
初回だけ価格が安いから来られる方。
受ければ良くなると思い、すべてを任せようとされる方。
特に高齢の方では、病院と整体を併用される中で、「治してもらう」という意識が強い方も少なくありませんでした。
もちろん、そのお気持ちも理解できます。
しかし、整体だけで身体が変わるわけではありません。
日常生活やセルフケア、ご本人の取り組みも大切です。
そして、臨床を重ねる中で、もう一つ気づいたことがありました。
それは、
身体には感情や過去の記憶が影響していることがある。
ということです。
トラウマ。
長年我慢してきた感情。
そうしたものが身体の反応として現れるケースを少しずつ経験するようになりました。
当時は心理学やエネルギーという視点も取り入れ始めており、必要に応じてエネルギーを整えることも行っていました。
ただ、この頃はまだ、それが今の陰陽整体につながるとは思っていませんでした。
振り返ると、この一つひとつの経験が、今の考え方へつながるための過程だったのだと思います。
そして、整体を続ける中で、もう一つ大きな答えにたどり着きました。
それは、
リハビリにはリハビリの役割があり、整体には整体の役割がある。
ということです。
病院でリハビリが必要な方を、整体だけで何とかしようとは思いません。
逆に、病院での治療が終わり、その先の身体づくりや生活を支えることは整体だからこそできることがあります。
理学療法士としての経験。
整体師としての経験。
その両方があったからこそ、それぞれの役割の違いを深く理解することができました。
しかし、それでもなお、身体だけでは説明できない症例が残っていました。
この疑問が、私をさらに次の学びへと導いていくことになります。
次回は、整体では説明できなかった症例との出会いについてお話しします。
