第1話|なぜ私は身体を学ぶようになったのか
こんにちは。陰陽整体の渡邊裕之です。
原因が分からない身体の不調や、何をしても繰り返してしまう違和感に悩んだことはありませんか。
病院へ行っても大きな異常はない。
身体を整えたり、運動やストレッチをしたりすると一時的には楽になる。
でも、しばらくすると、また同じような状態になる。
私自身も、長い間、そうした「理由の分からないこと」に悩んできました。
今振り返ると、当時の私が怖かったのは、霊的な存在や影響だと感じていたものだけではありません。
自分に何が起きているのかを説明できないこと。
そして、周囲の人と分かり合えないことでした。
幼い頃から経験していた不思議な現象
幼い頃から、黒い塊が人にまとわりついているように見えることがありました。
しかし、それを受けているように見える本人も気づいておらず、周囲の人にも見えていませんでした。
当時、通っていた保育園の隣にはお寺があり、住職さんに聞いてみたこともありましたが、明確な答えは得られませんでした。
周囲の人に話しても、
「分からない」
「考えすぎ」
「そういう話はしないでほしい」
と言われることがありました。
自分には見えているのに、周囲には見えていない。
相談しても理解してもらえず、どうすればいいのか分かりませんでした。
繰り返す金縛りと、眠ることへの恐怖
中学生に上がる頃、特に私を悩ませたのが金縛りでした。
私の場合、金縛りが起きる前に、強い耳鳴りがすることがありました。
耳鳴りが始まると、
「また来る」
と分かるのです。
そして実際に金縛りになると、身体を動かすことができず、目を開けることもできませんでした。
すぐに終わるわけではなく、その状態が終わるまで耐えるしかありませんでした。
テレビや書籍、霊感がある人に聞いてみた方法も試しましたが、金縛りを避けることはできませんでした。
それでも何とかしたくて、お守りを持ったり、お経や神様の名前を唱えたり、塩を使った方法など、教えてもらったことをいろいろ試したこともあります。
しかし、私の場合は金縛りを繰り返しました。
それが何度も続くと、今度は、
「また今日も起きるんじゃないか」
という恐怖が出てきます。
眠りたいのに、眠ることそのものが怖くなり、次第に不眠にも悩むようになりました。
当時の私は、もう起きることは避けられないので、今後も付き合っていくしかないと思っていました。
そして、こうした現象を霊的な影響として捉え、特別な力を持つ人でなければ解決できないと考えていたのです。
いつか大人になったら、この問題を解決してくれる人が現れる。
そう信じていました。
しかし、現在では、その考え方も変わりました。
さまざまな経験を重ねる中で、誰かに解決してもらうことだけを考えるのではなく、自分自身の状態を知り、現実と向き合うことも大切だと考えるようになったのです。
この考え方が、現在の陰陽整体にもつながっています。
骨折をしても試合に出続けた経験
一方で、私が身体について学ぶようになったきっかけには、怪我の経験もありました。
12歳の頃、バスケットボールの試合中に指を骨折しました。
当時の私は、チームのレギュラーであり、キャプテンでもありました。
試合中に痛みを訴え、指も腫れていました。
しかし、そのままテーピングをして試合に出続けました。
当時は捻挫として対応されていましたが、実際には骨折していたのです。
試合中は、
「とにかく早く終わってほしい」
そればかり考えていました。
私は今でも、指導者であれば、試合の勝敗よりも選手の身体を優先することが適切だったと思っています。
レギュラーであっても、キャプテンであっても、それは変わりません。
その後も整骨院や整体院に通いましたが、良くならず、病院を受診したときには、
「手遅れだ」
と言われました。
病院を転々とし、手術を受け、約2年間のリハビリも経験しました。
当時は、絶望と痛みの日々でした。
本当にスポーツに復帰できるのか。
それとも、もう続けられないのか。
そんな不安を抱えていました。
その後も怪我を繰り返し、
「なぜ自分はこんなに怪我をするんだろう」
「身体の中では何が起きているんだろう」
と考えるようになりました。
今振り返ると、この経験から、身体の状態を適切に評価し、必要なときには医療機関につなぐことの大切さを学んだと思っています。
なぜ理学療法士を目指したのか
しかし、私は最初から理学療法士を目指していたわけではありません。
ガソリンスタンドで働いていた頃に、大きな事故や怪我を経験しました。
機械に身体を挟まれ、命の危険を感じるような経験もありました。
また、頭を強く打ったこともありました。
そのときは、痛みがなかなか引かず、親戚が脳の専門医のところへ連れて行ってくれました。
この経験が、私にとって一つの転機になりました。
そこで理学療法士という仕事を知り、幼少期に経験した骨折や手術、長期間のリハビリのことを思い出したのです。
自分自身が、身体のことで悩み、苦しんできたこと。
そして、リハビリを通して身体の回復に取り組んできたこと。
そうした経験が、理学療法士という仕事への関心につながりました。
身体について専門的に学べば、今まで分からなかったことが分かるかもしれない。
自分と同じように、身体のことで困っている人の力にもなれるかもしれない。
そう考え、私は理学療法士を目指しました。
当時の私は、身体について専門的に学べば、自分の中にあった多くの疑問にも答えが見つかるのではないかと思っていました。
しかし、実際に身体を学び、理学療法士として多くの方に関わるようになると、今度は次々と新たな疑問が生まれていきました。
同じような身体の状態でも、回復の過程が異なるのはなぜなのか。
身体の機能が改善しても、その人が望む生活につながらないことがあるのはなぜなのか。
身体的な問題だけでなく、感情や思考、生活環境、生き方など、別の背景も関係しているのではないか。
そして、これまで自分が経験してきた、説明のつかない現象についても、違う視点から考える必要があるのではないか。
こうした疑問が、その後の私の臨床や、現在の陰陽整体につながっていくことになります。
今日のミニワーク|今の自分の状態を確認する
ここまで、私自身が経験してきたことをお話ししました。
私が長い間悩んでいたのは、自分に何が起きているのか分からないことでした。
もし、あなたも身体や気持ちに何らかの違和感を抱えているのであれば、一度、自分自身の状態を振り返ってみてください。
最近、身体や気持ちに違和感を覚えた場面を一つ思い出してみましょう。
そして、次のことを確認してみてください。
「いつ、どのような場面で起きたのか」
「身体や気持ちに、どのような変化があったのか」
「その前後に、何か変わったことはなかったか」
まずは、分かる範囲で書き出してみてください。
原因をすぐに決める必要はありません。
身体的な問題なのか、心理的な負担なのか、生活環境が関係しているのか。
今は分からなくても構いません。
大切なのは、原因を決めつける前に、自分自身の状態を知ることです。
その小さな気づきが、今の自分に必要なことを考えるきっかけになるかもしれません。
次回予告
次回は、理学療法士として身体を学び、実際の臨床に立つ中で、私が何を感じるようになったのかについてお伝えします。
身体の状態を良くするために、技術や知識を身につけてきた私が、患者様との関わりの中で気づいたこと。
「身体を良くすること」と「その人が本当に望んでいること」は、必ずしも同じではありませんでした。
その経験について、具体的な症例を交えながらお話しします。


