身体が変わっても、現実の問題が変わっていなければどうなるのか?
施術によって身体の動きが変わることがあります。
関節の動きが良くなる。
姿勢が変わる。
以前できなかった動作ができるようになる。
しかし、本人からは、
「まだ痛みがあります」
と言われることがあります。
以前、50代の男性を施術したとき、このことを考える経験がありました。
身体は変わっていたのに、痛みが残っていた
この方は、前屈すると腰に強い痛みが出ていました。
最初は身体を前にかがめること自体が難しい状態でした。
施術を重ねる中で、前屈できる範囲は少しずつ広がっていきました。
身体の動きにも変化が出ていました。
それでも、
「まだ痛みがある」
という話が続いていました。
そこで私は、日常生活について詳しく確認しました。
すると、特に痛みが強かったのは、朝起きて洗面所で前かがみになるときでした。
施術室での前屈は変わっていても、本人が実際に困っている生活場面では、まだ問題が残っていたのです。
痛みが出る前に、何が起きていたのか
私は、朝起きたときの身体の状態について考えました。
睡眠中の姿勢。
寝返り。
枕や寝具。
さらに、この方は仕事で出張する機会があり、長時間座っていることもありました。
そこで、枕を変えてみることや、移動中にできるだけ姿勢を変えることなどを提案しました。
もちろん、それらが腰痛の原因だったと断定できるわけではありません。
ただ、施術室で身体を確認するだけでは分からないことがありました。
身体に現れている問題と、日常生活の中で起きていることを、一緒に確認する必要があったのです。
状態を整えることと、現実を変えることは違う
この経験は、現在の陰陽整体にもつながっています。
私は理学療法士として、身体の状態を評価し、施術によって何が変わったのかを確認してきました。
現在の陰陽整体では、その確認する範囲が広がっています。
身体の状態。
思考や感情。
人間関係。
仕事や生活。
そして必要に応じて、身体周囲のエネルギーの偏りや、霊的・エネルギー的な干渉についても確認します。
ただし、今回の腰痛がエネルギーや霊的な問題によって起きていたという話ではありません。
身体で説明できないから、エネルギーが原因だと決めるわけでもありません。
大切なのは、今の状態を確認することです。
そして状態を整えたあとに、本人が実際に生活している現実まで確認することです。
本来の自分へ戻ったあと、同じ生活を続けるのか
陰陽整体では、身体や周囲のエネルギーの状態を確認し、必要な部分を整えていきます。
そして、本来の自分へ戻ってきたところで現実を確認します。
例えば、
仕事で無理をしている。
本当は嫌だと思っていることを続けている。
人に合わせることが当たり前になっている。
自分が担う必要のないことまで背負っている。
そうした現実がある場合、状態を整えるだけで終わるのではなく、
「今もそれを続けたいのか」
と確認する必要があります。
もちろん、仕事や人間関係を簡単に変えられるとは限りません。
生活のために続ける必要があることもあります。
だからこそ、現実を無視して、
「嫌ならやめればいい」
という話ではありません。
今の自分に何ができるのか。
何を続けるのか。
何を変えられるのか。
どこからなら実践できるのか。
そこを本人が確認し、選択していきます。
施術で変わったことが、日常でも変わっているのか
今回の腰痛の男性も、施術室では身体の動きが改善していました。
しかし、朝の洗面所という生活場面では、まだ痛みが残っていました。
この違いを確認しなければ、施術によって身体が変わったことだけで終わっていたかもしれません。
現在の陰陽整体でも同じです。
状態を整えた。
身体の感覚が変わった。
以前とは違う感覚が出てきた。
そこで終わりにはしません。
その状態で現実を確認し、本人が何を選ぶのか。
そして、日常で実践したときに何が起きたのか。
次に会ったときには、その結果や新たに出てきた違和感を確認します。
施術によって状態が変わることと、その人の現実が変わることは、必ずしも同じではありません。
だからこそ私は、身体やエネルギーの状態を整えることだけを目的にはしていません。
本来の自分へ戻り、今ある現実を確認する。
そこから自分で選択し、日常で実践する。
そして、もう一度確認する。
この一連の過程を大切にしています。
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