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【第4話】指の骨折 体は記憶する ― リハビリで私が学んだこと

前回お話ししたように、手術が終わったからといって、すぐに元の生活へ戻れるわけではありませんでした。

約2年間リハビリを続け、最終的に指は8割程度まで回復しました。

バスケットボールも何とかできるようになりました。

しかし、最初は走るだけでも指が痛い。

ボールを触るのも怖い。

「また痛くなるのではないか。」

そんな恐怖心が常にありました。

私はこの経験から一つのことを学びました。

体は記憶するということです。

これは骨折だけの話ではありません。

後に理学療法士、整体師として多くの方を診させていただく中で、このことを何度も実感しました。

例えば40代の女性です。

その方は昔から人前へ出ると手汗が止まりませんでした。

病院へ行っても原因は分かりません。

「昔からなんです。」

そう話されていました。

施術を行いながら詳しくお話を伺うと、幼い頃、親から何度も手を叩かれた経験があったのです。

周りと違うことをすると怒られる。

失敗すると叩かれる。

その経験が積み重なり、

「私が悪い。」

という考え方が無意識に身についていました。

心理学では、このような考え方を認知の偏り(認知の歪み)と考えることがあります。

過去を変えることはできません。

しかし、その出来事を今の自分がどう受け止めるかは変えていくことができます。

私はその方に、

「何でも自分のせいにしなくていい。」

ということを何度もお伝えしました。

少しずつですが、ご本人の考え方にも変化が生まれ、手汗も以前ほど気にならなくなっていきました。

一方で、骨折のリハビリでも同じことを感じていました。

私自身、骨折後に病院へ行くのが遅れたことで回復に時間がかかりました。

そして理学療法士になってからも、同じような方をたくさん見てきました。

もっと早く受診していれば…。

もっと早く適切な治療を受けていれば…。

そう思う症例は決して少なくありません。

中には、本来なら手術が必要な状態にもかかわらず、「整体で何とかなる」と言われ、結果的に手術になった方もいました。

例えば股関節です。

股関節の動きが著しく制限されている場合は、保存療法だけでは改善が難しいケースもあります。

もちろん最終的な判断は整形外科の先生が画像検査や身体所見をもとに行います。

現在は人工股関節や部分置換術など、手術方法も大きく進歩しています。

だからこそ、必要な時には適切な医療を受けることが大切です。

そして忘れてはいけないのが、心理面です。

リハビリは身体だけではありません。

「本当に治るのだろうか。」

「また痛くなるのではないか。」

そんな不安と向き合いながら続けていくものです。

周囲は励ましてくれるかもしれません。

しかし、その苦しさは本人にしか分かりません。

私もそうでした。

だからこそ、患者さんの不安に寄り添える理学療法士、整体師でありたいと思うようになりました。

約3年が経った頃、ようやく痛みは落ち着いてきました。

しかし、この経験は今でも私の身体に残っています。

痛みも、恐怖も、身体は記憶するのです。

そして、この経験は後に私が身体だけでなく、心や無意識、さらにその先の領域まで学ぶきっかけとなっていきます。

次回は、この骨折の経験が、なぜ私を医療の道へ進ませることになったのか、その原点についてお話ししたいと思います。

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小学生の頃、骨折を経験し、リハビリに尽力したことから、人の身体を支えることに興味を持ちました。 理学療法士として14年、整体士として5年以上の経験を活かし、気持ちに寄り添う施術を提供します。

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