身体を動かした方がいいと分かっているのに、なぜ動けないことがあるのか?
「身体を動かした方がいい」
「少しでも運動した方がいい」
そう分かっていても、なかなか動けないことがあります。
理学療法士として患者様と関わっていた頃、私は活動性を上げるために、身体の状態に合わせた自主トレーニングを考えたり、リハビリ以外の時間をどう過ごしてもらうかを考えたりしていました。
専門職が患者様と関われる時間は、一日の中では限られています。
だからこそ、リハビリの時間だけ身体を動かすのではなく、それ以外の時間にどれだけ活動できるかも大切だと考えていました。
しかし、臨床を続ける中で、それだけでは説明できないこともありました。
活動性を上げるなら、たくさん動けばいいのか?
活動量を確保することは大切です。
筋力や体力が低下し、身体を動かす機会が減れば、さらに動きにくくなることもあります。
だから、必要に応じて筋力トレーニングや歩行練習などを行います。
ただ、全員が同じように活動量を増やせばいいわけではありません。
今までほとんど身体を動かしていなかった人であれば、最初は10分でもいい。
10分の散歩を毎日続けることが、その人にとって必要な活動になることもあります。
大切なのは、単純に「たくさん動くこと」ではなく、今の身体の状態に合わせて活動を続けていくことです。
私は理学療法士として、まず身体の状態からそう考えていました。
楽しいことなら自然に身体を動かせるのか?
そこで私は、自主トレーニングだけではなく、その人が以前何をしていたのか、何が好きだったのかということも聞くようにしていました。
昔やっていた趣味を再開する。
行きたい場所へ出かける。
カラオケに行く。
友人に会う。
こうしたことでも自然に身体を動かします。
例えば友人に会いに行くのであれば、身支度をして、家を出て、目的地まで移動します。
本人は運動しているつもりがなくても、結果として活動量は増えます。
さらに、好きなことをしたり、人と話したり、笑ったりすることは心にも関係します。
だから私は、身体だけではなく、その人が楽しめることまで考えることが大切だと思っていました。
ただ、臨床ではそれでも説明できないことがあります。
「やりたいこと」があっても動けない人もいる
好きなことなら誰でも動けるのか。
楽しいことなら活動性は上がるのか。
実際には、必ずしもそうではありません。
以前好きだったことを提案しても動けない。
本人も「身体を動かした方がいい」と分かっている。
身体機能としてはできることも増えている。
それでも行動につながらないことがあります。
反対に、それまでほとんど動かなかった人が、何かをきっかけに急に外へ出るようになることもあります。
私はこうした経験から、
人が動く、動かないということは、身体機能や活動量だけでは説明できないのではないか
と考えるようになりました。
身体だけでなく、その人全体を見る
身体を動かせない理由として、痛みや筋力低下、体力低下などがあるのであれば、身体へのアプローチが必要です。
しかし、それだけではありません。
本人が何を考えているのか。
どのような感情があるのか。
現在どのような人間関係の中にいるのか。
どのような仕事や生活をしているのか。
本当は何をしたいと思っているのか。
こうしたことも、その人の行動に関係します。
そして現在の私は、身体や心理、生き方だけではなく、その人のエネルギー状態や霊的な影響についても確認しています。
なぜなら、身体や心理などを確認しても、それだけでは辻褄が合わない状態を、私自身も臨床や自分の経験の中で見てきたからです。
もちろん、動けない理由をすべて霊的な影響やエネルギーの問題にするわけではありません。
身体に原因があるのであれば、身体を見る必要があります。
心理的な問題であれば、そこを見る必要があります。
生活環境を変える必要がある場合もあります。
そのうえで、それだけでは説明できない場合には、別の視点も含めて確認していきます。
整えた後に「何をするのか」
陰陽整体では、霊的な影響やエネルギーの乱れを整え、その人本来の状態へ戻していきます。
しかし、本来の状態へ戻ること自体をゴールにはしていません。
大切なのは、戻った状態で、
「私は本当は何をしたいのか」
を本人が確認することです。
例えば、「もっと身体を動かした方がいい」と周囲から言われていたとしても、本人が本当に必要としていることが、さらに活動量を増やすこととは限りません。
散歩を始めたい人もいるでしょう。
以前の趣味をもう一度やってみたい人もいるでしょう。
人と会いたい人もいる。
仕事を変えたい人もいる。
反対に、今まで無理をして動き続けてきたのであれば、一度休むことが必要な人もいるかもしれません。
重要なのは、活動量の数字だけを増やすことではなく、今の自分が何を選び、どう行動していくのかだと思っています。
活動性を見ることは、その人の生き方を見ることでもある
理学療法士だった頃の私は、
「どうすれば、この人の活動量を増やせるだろう」
と考えていました。
自主トレーニングを考える。
10分でも歩いてもらう。
好きなことを聞く。
趣味を再開してもらう。
人との交流を作る。
こうしたことは今でも大切だと思っています。
ただ、現在はもう一つ先まで見るようになりました。
なぜ、この人は動けないのか。
そして、
この人は、本当はどうしたいのか。
身体を整えるだけでもない。
活動量を増やすだけでもない。
霊的な影響やエネルギーを整えるだけでもない。
その人本来の状態へ戻ったうえで、現在の仕事、人間関係、生活、生き方と、自分が本当に望んでいることとのズレを確認する。
そして、続けるのか。
やめるのか。
変えるのか。
本人が選び、実際の生活の中で行動していく。
私は現在、そこまで含めてその人を見ることが大切だと考えています。

