身体が変わったあと、「今どうしたいのか」まで確認しているか?
以前、歩行時のしびれがあり、
「まだ歩けない」
と話されていた70代の男性を施術したことがあります。
最初は屋内でも杖が必要でした。
方向転換をすると身体を崩すような動きもありました。
そこから約3か月、身体を整え、自宅でも運動を続けてもらいました。
徐々に杖なしで屋内を歩けるようになり、方向転換もスムーズになりました。
身体を評価すれば、明らかに変化しています。
それでも本人からは、
「まだ歩けない」
という言葉が出ていました。
そこで実際に屋外を一緒に歩いてみました。
しびれが強くなったら教えてもらうことにして歩き始めましたが、そのまま約40分歩くことができました。
以前、本人が歩いていた公民館について聞くと、
「今なら行ける」
という答えも返ってきました。
身体が変われば、本人の認識も自然に変わるのか?
私はこの経験から、
身体を変えるだけでは終わらない
ということを改めて考えました。
身体は変わっている。
しかし本人の中には「まだ歩けない」という認識が残っている。
なぜそう感じていたのかは断定できません。
以前の身体の感覚が残っていたのかもしれません。
本人が求めていたものと、私が評価していた身体の変化が違っていたのかもしれません。
そして今振り返ると、私自身にも確認できていなかったことがありました。
以前は公民館まで歩いていた。
では、身体が変わった現在も、
本人は本当に公民館まで歩いて行きたいのか。
そこまで十分に確認できていませんでした。
本来の状態へ戻ること自体を目的にしない
これは現在の陰陽整体で大切にしていることにもつながっています。
身体の状態を見る。
必要に応じて、身体周囲のエネルギーの偏りや霊的・エネルギー的な干渉も確認する。
そして状態を整え、本来の自分へ戻していく。
ただ、私は戻すこと自体を最終的な目的にはしていません。
状態が変わったあとに、現実をもう一度確認します。
今の仕事をどう感じるのか。
人間関係をどう感じるのか。
これまで続けていたことを、今も続けたいのか。
本当は何をしたいのか。
何を続けるのか。
何をやめるのか。
何を変えるのか。
その答えを施術者が決めるのではなく、本人が確認し、選択していきます。
「できる」と「したい」は同じではない
今回の男性も、身体としては以前より歩けるようになっていました。
しかし、
歩けるようになったことと、その人が今その身体で何をしたいのかは別です。
これは身体だけではなく、生活や生き方についても同じだと思っています。
できるようになったから続ける。
元に戻ったから以前と同じ生活へ戻る。
必ずしも、それだけが答えではありません。
身体やエネルギーの状態を整える。
その状態でもう一度、自分の現実を見る。
そこで何を感じるのかを確認する。
そして自分で選び、実際の日常でやってみる。
次回来られたときには、その結果や新たに感じた違和感を確認する。
整える→確認する→選択する→実践する→もう一度確認する。
身体が変わった先で、その人自身が今どうしたいのか。
私はそこまで確認することを、現在の陰陽整体では大切にしています。

